インベスティのクラウドファンディング応援ブログ

新しい物大好き中年がクラウドファンディング製品を紹介します

お酒に新しい風を 酒造りに賭けるプロジェクト

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近年、クラウドファンディングサイトにおけるお酒関連のプロジェクトが急速に増加しています。なぜなら、身近なお酒である日本酒やワインなどは蔵単位、畑単位の小規模な酒造業者が多いためです。

酒業界に注目を浴びるクラウドファンディング

例えば日本酒は、精米から瓶詰めまでに様々な行程があります。天候などに合わせて米、水、麴、酵母をコントロールしていくため、多くの行程が経験則に基づく手作業で、人の手と目によって行われています。そのため、しっかり目が届く範囲で理想の酒造りをしてこう、と考える小規模な組織が多いのです。

しかし、生産が小規模であれば、宣伝広告費をかけて大々的に売りに出すのは難しく、新しいお酒を作ろうにも、消費者の下に届くかどうかはわかりません。小規模であれば、売れるか売れないか分からない新製品を作る、というのはチャンスであると同時に大きなリスクを抱えます。

そのため、自身の理想とするお酒を作りたい!!というプロジェクトを立ち上げ、クラウドファンディングサイトで発信をして、支援者が集まれば製造する、という形が非常にマッチしています。また、プロジェクトで生産したお酒をリターンにするため確実性があり、支援者を集めやすい部分もあります。

今回は、そういったお酒に関わるクラウドファンディングを紹介していきます。

富山が産んだ天然酵母で作る爽やかな熟成酒『尾仲』

 まず最初に紹介するのが、富山の酒造所『成政』で作られた清酒『尾仲』です。

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野生酵母が作り出すどっしりした旨み

最大の特徴は『野生酵母(天然酵母)』で醗酵されている事です。一般的な清酒は、醸造協会の頒布する清酒向け酵母が用いられます。が、あえて大麦由来の天然酵母『とまれ産まれの酵母』を用いることによって、広く使われている清酒向け酵母よりも、どっしりとした野性味溢れる飲み味を実現しました。一般的に野生酵母は清酒向けの酵母よりも醗酵力が弱いものが多いのですが、熟練の杜氏の力を借りて醸造に成功。新聞等でも取り上げられています。

ワイン樽で貯蔵 炭酸で爽やかな飲み心地

この野生酵母で野趣溢れる濃醇旨口『尾仲』を作りましたが、今回は更に『尾仲』をワイン樽で一年寝かせて熟練酒にしました。ワイン樽で一年寝かせる事によって、樽の持つの香ばしい風味が付くだけでなく、熟成によってとげがなくまろやかな味を実現しました。また、今回は酵母の特性を良く知らなければ難しい発泡酒にも挑戦しています。

一般の清酒にはない旨口のお酒を、ワイン樽に仕込んで香り高くまろやかな熟練酒に仕上げ、さらに炭酸によってさっぱりした飲み心地を体験できます。

東大教授と戦国武将 起案者紹介

このプロジェクトの起案者はなんと東京大学の特任教授をされている尾仲宏康氏です。長年、微生物の研究をされる中で、富山産の野生酵母『とやま産まれの酵母』に着目され、まれの酵母を利用したお酒を、クラウドファンディングを利用して何種類も世に送り出されました。

また、酒造を担当されるのは富山県南砺市にある、創業明治27年の老舗『成政酒造』です。この名前は、戦国武将で有名な『佐々成政』が、自ら鍬を振るって探し当てたといわれる源泉を利用して、酒造りを行われているからだそうです。

 

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琉球王国御用達の泡盛を復刻 『王国貢酒』

続いては沖縄から、古くは琉球王国への貢物として採用されていた泡盛の復刻版をご紹介します。

こちらは水で薄めず添加物を加えない原酒のままで販売しますので、アルコール度数はなんと53度。酒造元の『瑞穂酒造』水で割らない原酒での飲み方をお勧めしています。

また、原酒であれば寝かせれば寝かせるほど、熟成されて旨みや香りが増してきます。ですので、2本手に入れて、一本は寝かせておけば、また違った味わいを楽しめます。

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列車トンネルが貯蔵庫 眠りから覚めた『タイムワイン』

ワインブームに伴い、日本でも日本産の原料を使った国産ワインがいくつも誕生しました。代表的なのが山梨県甲州産の葡萄を使用した、『甲州ワイン』です。しかし、栽培環境から醸成技術においても何千年と続くワイン醸造の歴史になかなか追いつくのは難しい状況でした。そこで2000年代に作ったワインを『熟成させよう』と長期熟成を試みたのが、今回紹介する『タイムワイン』です。

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なんと熟成のための貯蔵庫として、過去に廃線になった列車のトンネルを改造して利用しています。貯蔵庫内では年間通じて温度6〜14℃、湿度45〜65%と、ワインを熟成させるための最適な環境で熟成を進めています。

 

熟成を10年以上行っており、味はまろやか、深みのある香りを実現しています。そして、ミネラルに富んだ贅沢な甲州種が、独自の個性と大地の風味、芳醇な果実香を醸し出します。また、長期熟成タイプの甘口仕立てで、口の中に上品な余韻を残します。

年代は2003年~2005年物です。深い眠りから醒めた甲州ワイン。ご興味のある方は是非。

camp-fire.jp

 

科学の力で新しい風を起こしたい『秋田のお米づくり 2.0』

続いては一風変わったプロジェクトです。新しいお酒を造るのではなく、『お酒造りの米を進化させたい』というプロジェクトを紹介します。

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『米どころ秋田』に科学の力を取り入れたい

起案者は、秋田市のプロバスケットボールチーム「秋田ノーザンハピネッツ」と地元住民有志とで「農業で秋田を盛り上げよう」という想いのもと、農業法人が立ち上げられました。

秋田県は「あきたこまち」「ひとめぼれ」などに代表される米どころですが、その収穫量は年々減少しており、生産農家さん達の高齢化も止まらず、ジワリジワリとその活力は失われていっています。

そこでTDK株式会社の技術協力の元、農家さん、秋田を代表する酒蔵の一つである出羽鶴酒造さんと協力し、センサー技術で管理した新しい酒米、新しい日本酒「智酒 一期一酒(ちしゅ いちごいっしゅ)」を造られました。

米作りをサポートする最新のモニタリングセンサー

特別に開発された圃場用環境モニタリングセンサーは、田植え時からセンサーを数本田んぼに埋め込み、気温・水温・地温の3種類のデータを採取・管理することができます。これらのデータを分析し、その結果に基づいて栽培プロセスを実行していくことで、例えば「気温が低い時期にはどの程度の期間水を溜めておくか、中干しの期間を何日間にするか、稲刈りの時期をいつにするか」など、それぞれの決定値を根拠に基づいて決めていくことができます。

消費者も納得のセンサー管理

県内で行われた新米を食べ比べる『新米フェス』にて、こっそりセンサー管理のお米を混ぜたのだそうです。試食した6割の方が、『1番おいしい』と支持しました。

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従来の製法で作られた『一期一酒』と、センサー管理の酒米で造られて『智酒 一期一酒』の二種類をセットでお届けしています。

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readyfor.jp

 

酒造に新風を吹き込むクラウドファンディング 

以上、クラウドファンディングを利用したお酒のプロジェクトをご紹介しました。長年の研究の成果の発表の場があり、失われつつある古酒の復刻であり、はたまた新しい酒米作りの拡大であったり…。様々な取り組みに使われているクラウドファンディングを是非、ご活用下さい。