クラウドファンディングのプロジェクトを紹介するアズプレスです。
さて、昨今たくさんの映画やアニメなどが、クラウドファンディングの手法を利用して、制作費を集めています。代表的なもので言えば2016年公開のアニメ映画『その世界の片隅に』、また2018年に低制作費で大ヒットを飛ばして話題を呼んだ『カメラを止めるな』などです。
ただ、たくさんの映画が上映されている中で、全てが映画ファンの元に届いているわけではありません。ですので、改めて過去にクラウドファンディングを利用して上映された映画たちをご紹介していきます。
黒木芽衣主演 オール和歌山ロケで撮影された『ねこにみかん』
ドラマや映画で現在活躍されている、黒木芽衣さんと大東駿介さんをW主演に迎え、オール和歌山ロケを敢行した、ちょっといびつで心温まる家族の物語です。2014年に劇場公開されました。
フィアンセの家に訪れたら、母親が三人、父ひとり?
主人公の真知子(黒木芽衣)はフィアンセの智弘(大東駿介)の実家を訪れます。
家族をそれぞれ紹介されていくうちに真知子は奇妙な違和感を覚えました。
智弘の家族は、腹違いで同じ年齢の弟と妹3人。それぞれの母親が3人。
そして父親が1人。
ねこも1匹。
なんと智弘の父親は、同時期に妊娠させた三人の女性と共同生活を送りながら、それぞれの子供を一つ屋根の下で育てているのでした。
傍目からはいびつな家族ながら、お互いにバランスを保っている智弘の家。しかし、真知子の出現によって、波紋が徐々に広がっていきます。
宣伝広告費を調達するためにプロジェクト開始 結果は大幅な資金調達
宣伝広告費などの不足分を補うために、クラウドファンディングプロジェクトが組まれました。目標金額50万円に対して、なんと165万円の支援金額を調達し、プロジェクトは無事達成しました。
映画は成功し、現在はDVDが販売されています。
老舗『茅ヶ崎館』を舞台とした青春映画 『三泊四日 五時の鐘』
こちらもオール茅ヶ崎ロケを敢行した、とある茅ヶ崎の老舗旅館を舞台にした物語です。実はこの映画の舞台になる『茅ヶ崎館』は、かの名監督、小津安二郎が定宿とした、実在する老舗旅館です。監督の三澤拓哉氏はこの映画が初監督作品となります。
老舗旅館『茅ヶ崎館』で開かれた結婚パーティーで描かれる人間模様
物語は、ある夏の一日からはじまる。花梨と真紀は会社の元同僚で茅ヶ崎館の長女でもある理沙の結婚パーティーに出席するために、茅ヶ崎館を訪れる。そこで花梨は茅ヶ崎館でアルバイトをしている知春を弄び、一方、真紀は学生時代に恋心を抱いていた大学教授の近藤に再会する。そこで知春を密かに想う同級生の彩子や理沙の弟の宏太も加わり、登場人物たちの感情が複雑に絡まりはじめていく…。
オール茅ヶ崎を目標に作り出された名画
創業100年以上の老舗旅館が、はじめて撮影に全面協力した映画です。また、製作陣が『地元を巻き込んだプロジェクトにしていきたい』との考えで、クラウドファンディングが組まれました。結果、目標50万円に対して245万円の資金調達に成功しました。
ちなみに三澤監督は初の監督作品ですが、この映画で多くの賞を受賞されました。
中高生たちが作り上げた長編映画 『茜色クラリネット』
なんとこの映画。プロのバックアップを得て、中高生たちが作り上げた映画なんです。
北海道のNPO法人『北海道コミュニティシネマ・札幌』が、映画製作を通じた子供たちの教育を理念に、毎年1年がかりで映画製作を行うワークショップを開かれています。
そこで製作された『茜色クラリネット』は、北海道で1000人の観客を集め公開されました。是枝監督などが絶賛し、今度は全国で上映を企図してクラウドファンディングが組まれました。
ちなみに監督は高校1年生だそうです。
現在、DVDなどが発売されています。
さいたま市誕生15周年記念映画 『街をみる』
さいたま市岩槻で撮影された映画です。
さいたま市生誕15周年を記念して作られた映画ですが、『助成金などに頼らず、市民プロジェクトとして製作したい』という製作陣の熱い想いがあり、クラウドファンデングプロジェクトとして立ち上げられました。
市民映画とおもいきや、本格的な映画作りがされており、NHK大河ドラマなどにも出演経験がある前田希美、細田善彦という二人の若手が主演を務めます。
プロジェクトは170万円の資金調達を完了し、映画も無事に2016年に公開されました。
以上、クラウドファンディングを通じて誕生した映画たちの紹介でした。
全体的に、地元のよさをもっと知ってもらいたいー!!とか、才能のある若手を大抜擢したり、愛がありつつも野心的な作品が多く観られます。
クラウドファンディングと言う手法がもっともっと浸透して、たくさんのすばらしい映画が作られることを、楽しみにしています。